【島根県O様】ダンボール切断用スリッター刃の再研磨事例|刃欠けを除去し2000番で鏡面仕上げ

島根県 O様|ダンボール切断用スリッター刃・定期研磨

ダンボールを切るスリッター刃は、刃欠けとの戦いです。紙そのものは柔らかくても、含まれるフィラーや接着剤層、そして硬化した糊が刃先に細かな欠けを生じさせます。切り口に毛羽が出る、粉が舞う、切断音が変わる——それは刃先が欠け始めたサインです。

今回は島根県のO様より、ダンボール切断ラインで使用されているSKH51製のスリッター刃をお預かりしました。O様には定期的に一定枚数をまとめてお預けいただいており、今回も全体に生じた刃欠けを除去したうえで、#2000での仕上げ研磨まで行っています。

ご依頼内容|定期研磨でライン品質を維持

島根県のO様は、ダンボールの切断ラインでスリッター刃をご使用されています。当社には定期的に一定枚数をまとめてお預けいただく運用で、継続的にご利用いただいています。

今回お預かりした刃も、全体的に刃欠けが生じている状態でした。ダンボール切断では、刃先の微小な欠けが切り口の毛羽立ちや紙粉の発生に直結するため、「切れなくなってから」ではなく、決まったサイクルで研磨に出すのが最も安定した運用になります。

O様のように定期研磨のサイクルを確立されているお客様は、ライン停止のリスクが小さく、切断品質のばらつきも抑えられています。

ダンボール切断用スリッター刃に刃欠けが起きる理由

「紙を切っているだけなのに、なぜ刃が欠けるのか」——ダンボール加工の現場でよく聞かれる疑問です。理由は主に3つあります。

① 紙に含まれるフィラー

紙にはタルクや炭酸カルシウムなどの填料が含まれます。これらは研磨剤として働き、刃先を少しずつ摩耗させていきます。

② 接着剤・糊の硬化層

ダンボールのライナーと中芯を貼り合わせる糊は、乾燥・硬化すると硬い層になります。ここを繰り返し通過することで刃先に負荷がかかります。

③ 高速切断による衝撃

ダンボールラインは高速稼働が前提です。単位時間あたりの切断回数が多く、微小な衝撃が蓄積して欠けにつながります。

こうなったら再研磨のタイミング

・切り口に毛羽やケバが出るようになった
・紙粉の発生量が増えた
・切断面がつぶれる、または斜めになる
・切断音が高くなった、異音が出る
・機械側の負荷が上がった

刃欠けは放置すると欠けが拡大し、再研磨で除去すべき量が増えて刃物の寿命を縮めます。O様のように定期サイクルで研磨に出す運用は、1回あたりの研磨量を最小限に抑え、結果的に刃物を長く使える方法でもあります。

SKH51という材質について

今回のスリッター刃の材質はSKH51(高速度工具鋼・モリブデン系ハイス)です。ハイス鋼の中でも汎用性が高く、産業用刃物に広く使われています。

分類高速度工具鋼(ハイス鋼)/モリブデン系
特徴硬さと靭性のバランスが良く、欠けにくい
用途スリッター刃、切削工具、各種産業用刃物
再研磨性研磨による再生が可能。繰り返しの使用に適する

SKH51は靭性が比較的高いため、超硬に比べて欠けにくい反面、摩耗は進みやすい材質です。定期的な再研磨で刃先を再生させる運用と相性が良く、ダンボールのように高速・大量の切断が続く用途で多く採用されています。

BEFORE|入荷時の刃先の状態

お預かりした時点での刃先です。円周上の広い範囲に細かな刃欠けが生じており、稜線が不揃いになっていました。

再研磨前のダンボール切断用スリッター刃の刃先|全体的な刃欠け
BEFORE:入荷時の刃先。全体的に細かな刃欠けが確認できる。

※画像をクリックすると拡大表示されます。

ダンボール切断では、この程度の欠けでも切り口の毛羽立ちや紙粉の増加として現れます。欠けが一箇所でもあると、刃が回転するたびにその部分が周期的に切断面へ影響するためです。

再研磨の工程|#2000仕上げまで

1. 入荷検品|欠けの深さと分布を確認

まず刃先全周にわたって、欠けの深さ・分布・摩耗の程度を確認します。最も深い欠けを基準に、どこまで研磨すれば健全な刃先に戻るかを判断します。一部の欠けだけを追いかけて研磨すると全周の均一性が崩れるため、全体を見て研磨量を決めるのが重要です。

2. 刃欠けの除去|全周を均一に

専用の研磨機で刃物を回転させながら、全周を同じ条件で研磨します。丸刃は円周上のどこか一部だけ研磨量が異なると、回転のたびに切れ味が変わり、切断面に周期的なムラが現れます。欠けを完全に除去しつつ、全周にわたって均一な稜線をつくることが目的です。

3. #2000での仕上げ研磨

欠けを除去した後、#2000の砥石で仕上げ研磨を行いました。粗い番手で刃を付けただけの状態では、刃先に微細な凹凸(研磨目)が残ります。この凹凸は紙の繊維を引っかけ、毛羽立ちや紙粉の原因になります。

細かい番手で仕上げることで刃先の面をなめらかにし、切断時の抵抗を減らします。結果として切り口がきれいに出るだけでなく、刃先の持ちも良くなるのが仕上げ研磨の効果です。ダンボールのように毛羽立ちが品質に直結する用途では、この工程が特に効いてきます。

4. 検査・梱包

刃先の状態を確認したうえで、輸送中に刃先が当たらないよう保護して梱包します。丸刃は重ねると刃先同士が接触しやすいため、1枚ずつ養生しています。

AFTER|再研磨後の刃先

刃欠けを完全に除去し、#2000で仕上げた状態です。稜線が一本に通り、刃先の面もなめらかに仕上がっています。

BEFORE

再研磨前のスリッター刃の刃先|刃欠けが全体に発生した状態

全体的な刃欠けにより、稜線が不揃いになっている状態。

AFTER

再研磨後のダンボール切断用スリッター刃の刃先|2000番で仕上げた鋭利な刃先

刃欠けを除去し、#2000で仕上げ研磨した状態。

※画像をクリックすると拡大表示されます。

加工仕様・納期

お客様島根県 O様
刃物種類スリッター刃(丸刃)
材質SKH51(高速度工具鋼・ハイス)
被切断材ダンボール
入荷時の状態刃先全体に刃欠けが発生
ご依頼内容刃欠けの除去および刃先の再研磨
実施内容入荷検品 → 刃欠け除去・刃先再研磨(全周均一) → #2000仕上げ研磨 → 検査 → 梱包
ご利用形態定期研磨(一定枚数をまとめてお預かり)
対応エリア全国対応(宅配便によるお預かり・返送)

※納期は枚数により変動します(〜25枚:2営業日/26〜49枚:4営業日/50枚以上:5営業日)。刃先の欠けが深い場合など、状態によっては追加のお時間をいただくことがあります。

定期研磨という運用のメリット

O様のように「切れなくなってから出す」のではなく「決まったサイクルで出す」運用には、明確な利点があります。

① 刃物が長持ちする

欠けが浅いうちに研磨すれば除去量が少なく済みます。放置して欠けが深くなるほど、1回の研磨で削る量が増え、刃物の寿命が縮みます。

② 品質のばらつきが減る

常に一定水準の刃先を維持できるため、切り口の毛羽立ちや紙粉の発生量が安定し、後工程の手直しも減ります。

③ ライン停止を避けられる

予備の刃とローテーションで運用すれば、刃の交換のためにラインを止める必要がありません。研磨中も稼働を継続できます。

定期研磨を始める際は、まず予備の刃を1セット余分にご用意いただくのが基本です。使用中のセットを研磨に出している間、予備のセットで稼働を続けられるため、ラインを止めずにサイクルを回せます。

新品交換と再研磨の比較

2026年8月時点
比較項目新品交換再研磨(当社)
費用メーカー・仕様により大きく変動新品購入より大幅に低減
納期在庫状況に左右され、欠品時は長期化到着後2営業日(〜25枚)
刃先精度新品同等全周を均一に研磨し、#2000仕上げまで対応
枚数の融通ロット単位での購入になる場合も1枚からお受け可能
廃棄物使用済み刃が産業廃棄物に母材を再利用し廃棄物を削減
繰り返し利用都度購入母材の残りがある限り繰り返し可能

※再研磨費用は外径・刃厚・枚数・状態により異なります。丸い刃物(スリッター刃)の概算料金は、下記の概算シミュレーターで外径・刃厚・枚数を入力いただくとその場でご確認いただけます。刃先の欠けが深い場合など、別途お見積りとなるケースもございます。

スリッター刃の概算料金をその場で確認

外径・刃厚・枚数を入力するだけで、再研磨費用の目安がすぐにわかります。
枚数がまとまるほど1枚あたりの単価が下がります。

よくあるご質問

刃欠けがあるスリッター刃でも再研磨できますか?

はい、対応可能です。今回の島根県O様の事例も、刃先全体に刃欠けが生じた状態からの再生です。ただし欠けが深すぎる場合、除去に必要な研磨量が大きくなり、規定の寸法が確保できなくなることがあります。欠けが浅いうちにお預けいただくほど研磨量が少なく済み、刃物を長く使えます。

SKH51(ハイス鋼)のスリッター刃も研磨できますか?

はい、SKH51をはじめとするハイス鋼の刃物に対応しています。SKH51は硬さと靭性のバランスが良く、再研磨による再生に適した材質です。超硬(超硬合金)製の刃物についても対応しておりますので、材質を問わずご相談ください。

#2000での仕上げ研磨には、どんな効果がありますか?

粗い番手で刃を付けただけでは刃先に微細な研磨目が残り、これが紙の繊維を引っかけて毛羽立ちや紙粉の原因になります。細かい番手で仕上げることで刃先の面をなめらかにし、切断抵抗を減らせます。切り口の品質が向上するだけでなく、刃先の持ちが良くなる効果も期待できます。ダンボールのように毛羽立ちが品質に直結する用途では特に有効です。

定期研磨をお願いすることはできますか?

可能です。O様のように、決まったサイクルで一定枚数をお預けいただく形でご利用のお客様が複数いらっしゃいます。「切れなくなってから」ではなく定期的に研磨することで、刃物の寿命が延び、切断品質のばらつきも抑えられます。まずは現在の使用状況をお聞かせいただければ、適切なサイクルをご提案します。

研磨中はラインを止めることになりますか?

予備の刃を1セット余分にご用意いただければ、ローテーション運用でラインを止めずに済みます。使用中のセットを研磨に出している間、予備のセットで稼働を継続する形です。定期研磨をご検討の際は、この運用をあわせておすすめしています。

島根県からでも依頼できますか?

はい、全国どこからでもご依頼いただけます。当社は宅配便でお預かりし、研磨後に返送する「郵送対応の刃物再研磨」を主軸としており、島根県をはじめ中国地方から全国まで対応実績がございます。

ダンボール切断用スリッター刃の再研磨は長町研磨へ

刃欠けの除去から#2000仕上げまで、全周を均一に再生します。
定期研磨のご相談も承ります。全国どこからでも宅配便でお預かり。

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